「土井先生」
「あぁ、兵助か、どうしたー?」
「今度の火薬委員会の活動のことなんですけど…」
「あ、そこはだな…」
いつもの日常。変わらない関係。必要以上のことは話さない会話。
それが普通であるだろうし、それが教師と生徒の関係だ。
けど、俺はそれじゃ我慢、できない。
もっと先生に近づきたい。近づいてほしい。
けど勇気なんかはなくて、もやもやする気持ちをずるずると引きずったまま、今日も一日を終える。
そのはずだった。
「なあ、兵助。」
「? なんですか?」
「お前、私のことは嫌いか?」
「え…っ」
「その、いつも委員会のことだけで会話は終わるし、お前は私と話したくないんじゃないかって…」
「そんなこと…ありえませんっ!!!」
俺は、叫んだ。
だって。
だって。
俺は…
「土井先生のことが…こんなにも好きなのに…っ!?」
あぁ、言ってしまった。
この人は真面目な人だから、俺とは距離を取ろうとするだろう。
いや、諭してくるかもしれないな…。
そんな思考で頭は埋め尽くされて、自らの頬を伝う涙にも気づかぬまま、そこに立っていた。
そして。
俺は、抱きしめられていた。
なんで。誰に。土井先生に。なんで。どうして、
「どうし、て…」
先生はゆっくりと俺の頭を撫でた。
「ごめんな、こんな顔させて。」
先生は、俺をぎゅう、とだきしめて。
「ごめんな、気づけなくて。」
先生は、俺の涙をぬぐって。
「ごめんな、私は臆病者で、お前に気持ちを伝えられなかったから。」
そして、俺の目をみて。
「兵助、すきだよ。」
ああ、奇跡は起こるものなのか。
ずっと遠くから見てきた人は、同じように俺を見ていてくれたのか。
ああ。ああ。愛しい。苦しい。胸が痛くて苦しくて暖かい。
「先生…っ、俺、は、先生が…好きです。」
「なら、私たちは両想いだな。私も好きだよ、兵助。」
その言葉を、俺はずっと聞きたかったのだろうか。
この手に撫でられたかったのだろうか。
胸のもやもやなんて、もうなくなっていた。
(あなたと一緒に居られるなら、俺はしあわせだ。)
(私の愛しい人が、しあわせでいられるなら、私は言葉をささげよう。)
凄く雰囲気な感じの小説になってしまいました…
たまさんが土井くくが欲しいと聞いて速攻で書いたんですがksでした、本当に申し訳ない。
もうこのあとは先生と兵助がいちゃいちゃらぶらぶバカップルしてればいいと思うのです。
土井くく大好きです!!!!誰か土井くくをください飢えます(((